今日は萌え日和

カテゴリ: 悪の華







いまさらですが、ネタバレ注意です

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草原にひとり立つ春日

中学時代「向こう側に連れてって」と願った仲村さんを、結果的に裏切ってしまった後に見た夢と似ている

ここにも仲村さんが現れるのだろうか?

例え夢でもそれは嬉しい

あの時は「うそつきにんげん」と言っていたが、今回はどんな言葉を春日に投げかけるのだろう?

などと妄想していたら…


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そこにいたのは仲村さんではなく、あまりにも巨大な惡の華!!

春日のドロドロは全く消えていないどころか、むしろその猛威は成長し続けていたということなのか…?

風に舞う黒い花弁が春日の乳首を掠めたとき…

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一気に物語が進展!?

常盤は新人賞を受賞しベストセラー作家に、そして春日との子供を授かり幸せを手に入れる…

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佐伯は春日と全く似ていない男と結婚

それでも完全には拭えない過去、あの自分が燃やした春日と仲村の秘密基地跡を訪ねる

そこで永らく「おいてけぼり」だった木下と再会し、彼女がいかに自分を想ってくれていたかを実感するのだ




そして、我らが仲村さんは……


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母の店を手伝いながら、日常的に笑顔を作れるようになっていた

やはり佐伯と同じように完全に過去を忘れた訳じゃないが、そもそも忘れる必要なんてないのだろう

あの日3人で戯れた空の下、自分が初めて幸せだった時間を思い出しこれからも生きてゆくのだ…



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実は心から彼女を心配していた父親、当時あまり心を開けなかった父親にも笑顔を見せることができた

そして……

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ここは東京と見るべきか…?

それとも高崎、前橋辺りであろうか?

上京してきたのだとしたら、春日との再会もなきにしもあらずなのだが…

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そんな未来の情景が交錯し


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黒い花弁は再び…


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という夢を見た

物語はまだ前回常盤さんが泊まりにきた翌朝だったのだ!

ていうかいつから俺は現実だと錯覚していたのか!?

ちゃんと最初に夢だと確認していたのに…

いや夢で良かったと正直ホッとした

なんかこんなにサクサクと進まれては寂しすぎるなと。。

それにしてもフラッシュバックというのはふつう過去が現れるものだが、春日は未来予想図をリアルに見てしまったのだ

しかも他人の未来まで…これには春日の希望が反映されているのだろうか

木下にしても仲村さんの父親にしても、春日はその想いを知っていた

佐伯さんが春日と似ていない男と幸せに暮らしている情景は、まさにそうあって欲しいという願望だろう

それでもあの秘密基地が現れる辺り、深層の不安がイメージに染み込んでいるのかも

仲村さんの未来が母の店から都会へと変転して行ったのは、仲村さんにも自分とは別の未来で幸せな出会いを得て欲しいという希望があるとも思えるし、やはり春日自身がもう一度仲村さんと会いたい、という素直な願望もあったのかとも思う

そういえば今回のタイトルは「僕らは願う者なのだ」であった

消える訳が無いし、消す必要もない

どんなに常盤さんを愛していても、仲村さんとの記憶は永遠なのだ

それは佐伯さんにとっても同じなのだろう…





まあでも、春日の夢という表現にはなっているが、もしかしたら現実もこの通りに進んで行くということなのかも知れない。。


そして過去と未来の記憶を見てしまった春日は、遂にペンを走らせる…


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次回最終回、万感の想いである

仲村さんの今は描かれるのか?

今回のが仮に本当の未来だったとすると、もう実質的な最終回は迎えてるような気もする

だとすると次回は春日が描いた物語になりそうでもあるが、やはりできれば現実世界の話が見たい

無茶は承知だが、上京した仲村さんと春日の…

これはもう見る側のわがままであるが、ここに至ってもまだ春日と仲村さんの邂逅が見たいのである


僕らも願う者なのだ!




























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今さらの55話を…


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時は流れ、春日は大学生となり上京していた

珍しく?タイトルまんまである



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普通にイケメンの春日!!

講義で惡の華を読み、過去には理解できなかった世界を楽しめるようにまでなっていた

ヒゲの学友に「中学生で惡の華、早えーな」と言われ、「早いも遅いも関係ないんじゃね?」

と答えた春日

何歳であろうが理解できないものは理解できないし、何かのきっかけで急に理解できるようになったりする

それが体験なのか頭の回転数上昇なのか、きっかけは人それぞれだろう



それでも春日はまだ、何かから抜け切れていない

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白紙のノートを前に逡巡する春日の部屋に…

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最初誰だか分からなかったよ。。

常盤さんなのか、もしかして東京で出会った全く別の誰かなのか、まさかの仲村さんなのか
いや、もっとまさかの木下・佐伯…!?

でも、何かを表現したい気持ちを持ちながらも書き出せない春日にアドバイスをした時、それが常盤さんであることが判明

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春日が書きたいのは何だろう?

やはり中学生時代のあの日々だろうか

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新人賞に応募したらしい常盤さん、前書いたやつとは高校時代のあれかと思われる

春日が泣いて感動したお気に入りである


照れたのか、今より前のを褒められたことに対する不満なのか…

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このひ弱感だけは中学生時代とまるで変わっていない、一貫した安定ぶりである


気になるのは2人の関係だが…




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やはり、このような有様に*\(^o^)/*

まあ当然といえば当然だが

僕も含め、できれば初体験描写を見たかった向きも多いだろう

ちなみにこの「抱きしめて」は事後の言葉である

常盤さんは多分もう、春日なしでは生きられない

自分を認めてくれた春日に抱きしめられることが、唯一の生存理由なのだ

いや、おおげさか…?

でも美人なだけに、その内面をちゃんと理解し認め愛してくれる人は超レアだろう

今後、春日以外にそんな人物が現れるとは到底思えない





問題は春日の方だ、まだ何を考えてるのかいまいち分からない

仲村さんとのことは本当に吹っ切れているのか?

あの日、本当に思春期は終わったのか?




そして何よりも、仲村さんの現在は……



















ようやく先月号の別マガ読めた、もう何やってんだか。。



惡の華、衝撃的でした


あの時なぜ、仲村さんは春日を置いてひとりでいこうとしたのか?

彼女の答えは……



「さあ。覚えてない」


なんと、またしても覚えてないと……

前記事の予想は脆くも外れた訳です(。-_-。)

以心伝心のように春日と手を合わせ、その手の匂いを嗅ぐ仲村さん


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仲村さんにしてみれば、もう2度と触れ合うことはないと思っていた温もり


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あの放課後の川原を思い出す、この時点でもう涙が…


そして、何か過去に関することを質問された時、仲村さんは必ず空を見る

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前回「キレイ」と言った空、仲村さんの情動を抑えていてくれていた空

仲村さんは春日に質問される度、この美しい空を見て迸りそうな情動を抑えているのではないか

いや、これまでの3年半ずっとそうしてきたのでは…

やはり、仲村さんの内には巨大にして静かな想いが確実に存在するのだと思う

そしてそれは常盤さんが春日の恋人であることを知った直後、衝撃的な表情として表れた




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「惡の華」そのものの眼……

後の常盤さんの言葉と絡ませると、今回第一の衝撃シーンである

最初なぜここでこの顔なのか良く分からなかったが、この空が仲村さんの心の拠り所であることを思い出しようやく気付いた

仲村さんも常盤さんを見た時から分かっていたとは思うが、やはり春日から直接言葉で聞かされたショックは計り知れなかったのだろう

つまり要は、直截的に言ってしまえばやはり仲村さんは春日を愛していたのだ

心の底では「唯一無二」の存在として必要としていたのである

これは辛い…本当に辛すぎる

自分を受け入れてくれた唯一の拠り所、それを全て諦めて1人で生きて行こうとしていたのだ……

きっと、こんな表情になったのもこれが初めてではないのだろう

これは途方もなく凄まじい寂しさである

おそらく一生、心に大きな穴が空いたままこれからの人生を歩まねばならない……



それでも、結局何も答えず立ち去ろうとした仲村さんに自らの過去を重ねた常盤さんは…

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「あなたには春日くんと生きていく道がある

だってあなた達は、誰よりも…きっと…

もし、2人で生きていけるのなら、それがいちばん……」




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おそらく常盤さんは、この物語の中で唯一神視点を持つ人物である

本人たちも明確には把握していなかった感情を、常盤さんは当たり前のように見抜いている(春日は一度「仲村さんが好きだ」と佐伯さんに告白しているが)

つまり、ここで初めて春日と仲村さんの関係がはっきりしたのだ

2人はやはり、誰よりも深い絆で結ばれていたのである

ずっと前から、誰よりも強く求め合っていたのである

それを知った常盤さんは、春日とのこれからを全て仲村さんに譲ろうとしたのだ

思わず溢れた涙はそれが常盤さんにとっても耐え難い寂しさであることを如実に示している

正直常盤さんがここまで春日に執着というか依存しているとは思わなかったが、もはや常盤さんにとっても春日は「運命の人」になってしまっていたのだろう

仮にこの状態で別れたら、もう一生誰も愛せないモードに入ってしまう(いつかは忘れるにしても)

仲村さんだけではないのだ

これもう、春日にしてみたらどうして良いか分からない状況である

選べるのか?
それに耐えられるのか?

だが春日がアクションを起こすまでもなく、仲村さんはその絶対的な喪失感を引き受けて立ち去ろうとする…のだが。

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この瞬間「おお!春日やはり仲村さんを選んだのか!」と(常盤さんには悪いが)喜んだのだが

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!?

全く予想だにしない連続起き上がりこぼしが!?
この辺りに春日の精神の特異性が現れているのか

ひとしきり仲村さんを投げ転ばした春日は…

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かつて一緒に消えようとした相手に「消えないでいてくれて嬉しい」と


これが春日の素直な本心だったのだ


存在するだけで自分自身も周囲も傷付けてしまう。

もう消えるしかない所まで追い詰められた少女

生きる価値がないどころか、生きていてはいけない……

そんな少女のぼろぼろなパーソナリティが、おそらく初めて「消えないでいてくれて嬉しい」と、無条件にその存在を認められたのだ

ただ生きていてくれただけで嬉しい、というのは家族の情愛である

親が子供に、子が親に感じる類のものだ

それをいちばん必要としている人から与えられたのである

全てが報われる、というのはこういう瞬間を言うのだろうか。。


それに対する仲村さんの返答は

殴る
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蹴る
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やはり暴力!!あの頃の仲村さんばりの暴力!!

これは春日と再会するまでに抑えていたものを解き放ったということだろう

もう隠す必要はないのだ

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何かが通じ合った2人の取っ組み合いは常盤さんをも巻き込み、そして……



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僕は漫画で、ここまで感動的で衝撃的な笑顔を見たことがない

惡の華を知らない人がこのシーンだけ見たら何のことやら分からないだろうが、これはあの仲村さんなのである

誰よりも異質で、誰よりも激しく、誰よりも孤独であったあの仲村さんなのだ

その仲村さんが初めて、こんな心の底から楽しそうに嬉しそうに笑ったのである

これは先の春日の言葉あってのものだろうが、それプラス取っ組み合いという非日常な状況が呼び覚ました面もあるだろう

今までは一方的に仲村さんが春日を痛ぶってきたのであるが、ここで初めて体ごと心ごとぶつかり合ったのだ

しかも今日初めて会った常盤さんまでが、本当に心からの思いやりでぶつかってきたのである
友愛という言葉はこのシーンにこそふさわしい

この時の仲村さんの笑顔は………一生忘れられないだろう

仲村さんも春日も常盤さんもこの瞬間を一生忘れないだろう

そして

この思い出を胸に、仲村さんはひとりで生きていく決断をしたのだ

これまでの3年半とは違うひとり、とても寂しいけれど充足したひとり…

とても寂しいけれど……
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最後の「ありがとう」は誰が誰に言ったものなのか。


ちなみに

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この腕は仲村さんと常盤さんの腕であり、2人の無言の繋がりを表していると思われる


誰が言ったとしても不思議ではない、もしかしたら3人同時に言ったのかも知れない。

でも、仲村さんだと思うのが先の笑顔の流れで自然には思える

というか、まさかの笑顔の感動をさらに増幅させてくれる

それは春日に対する来てくれてありがとう、私を想ってくれていてありがとうかも知れないし、常盤さんに対する「思いやりをありがとう」かも知れない。

常盤さんの言葉であったなら…春日を譲ってくれてありがとう…であろうか

春日ならばなんだろう?

仲村さんの「2度と来んなよ、ふつうにんげん」に対する、常盤さんとの仲、自分のこれからの「ふつう」の人生を応援してくれてありがとう、であろうか…
あるいは仲村さんではなく常盤さんへの言葉だったかも知れない

もしも春日1人で来ていたら、仲村さんからここまでの自己開示を引き出すことはできなかっただろう

まあでもやはり、3人同時と思いたい気がする


いずれにしても、これで思春期の終わりが見えてきてしまった

いや、あの笑顔の時点で全て終わったということなのかも知れない


個人的に今回は、幾多の恋愛や思春期を描いた作品を総合しても並ぶもののない神回だと思う

だが寂しい…

読み手の自分勝手な感情だが、やはり仲村さん達を見れなくなるというのは寂しいし、仲村さんが春日と2度と会わないというのも悲しい……

特にこういった恋愛とか思春期とか男女の物語においては「終わって欲しくない!!」という感情の大きさで名作度合いが決まると考えている。

そして僕の中で押見版「惡の華」は歴史的名作になってしまった!!

思春期葛藤の極北を描いた文学作品としてぜひ後世に伝えて欲しい。

もうあと何十年かすれば、漫画を文学と言うことに苦笑する古株たちもこの世を去っていることだろう。


しかしなんだかすっかりクライマックス感が漂ってるのだが、仲村さんの父親の件とか母親の過去とか仲村さんがああなった要因とか、さらに言えば木下の件とか常盤さんのお兄ちゃんの件とか…まだまだ気になる事項がたくさん残ってるんですけど…


という訳で、これから今月号を読みます!
終わってなければ良いなあ。。。
























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先ほどの記事の続きです

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このあと、仲村さんは何を語るのか…?を考えてみました。




なぜあの時、仲村さんは春日を突き飛ばしたのか?

なぜ、春日を置いて1人で行こう(死のう)としたのか?


普通に考えれば可能性は2つしかない。


1 春日とは見ているものが違ったから

2 春日を巻き添えにしたくなかったから



でも、実はもうひとつ可能性がある。


それは


3 仲村さん自身が死にたくなかったから

である。

つまり、誰かが止めてくれる時間を稼いだと。もしかしたら無意識に…。

ここから先はこの説が正しいと仮定して話を進めます、まったくお門違いな可能性は限りなく高いのでご容赦くださいm(_ _)m



春日と佐伯さんとの性行為を知った帰り、仲村さんは「私は死にたくない」と言っていた。

つまり、自殺願望など彼女にはそもそもなかったのだ。

それを「全部終わらせ」ようとしたのは、現状の苦しみから逃れるため…何もかもがうまくいかない、自分と世界との折り合いがどうしてもつけられない……その終わらない苦しみから逃げるため、仲村さんは春日に死を持ちかけたのだ。


でも、春日は違う。

春日は逃げるための死ではなかった。

本当に死に憧れ、仲村さんとそこへ行くことに喜びを感じていた。

つまりあの時点で既に、春日は異常性において仲村さんをはるかに上回っていたのだ。

元々の性質がそうだったのかも知れないし、読書体験により彼自身知らぬうち「惡の華」の精神構造に変化していたのかも知れない。

おそらく死出の準備をしている最中、仲村さんはそのことに気付いたのだろう。

私は本心では死にたくない、もし普通に生きられるのならば生きていたい。

でも、彼は純粋に死を望んでいる。

私にはよく分からない「惡の華」とやらが彼には本当に見えている…


まあ、一言で言えば狂人である。

それは高校生になった春日の様子が物語っている。

常盤さんにやや引き戻される前は本当にあっちの世界の住人だった。

春日の異常性は結構本物だったのである。

対して、仲村さんのそれはおそらく性欲の異常亢進、それに何らかの母親がらみ(あるいは父親がらみ)の体験が重なり出来上がったものだろうと勝手に推測している。

もしかしたら過去に、父親と性的関係が…?


…まあそれは置いといて、とにかく本当は「生きたい」仲村さんは、心から死に憧れている春日にわずかづつ恐怖を感じていった。

その心の乖離が、あの瞬間に彼女を突き動かしたのだと。

それは彼女自身も明確に意識していない、死を免れようとする肉体の本能的防御反応であったのかも知れない。

あの時は彼女自身も何故そうしたか分からなかったけれど、あとでゆっくり考えて「ああ、私はあの時死にたくはなかったんだ」と気付いた可能性もある。

その「本当は生きたい」と願う気持ちが母なる海と太陽に触れ、仲村さんを再生させたのかも知れない。。



とまあ、あえて意外性のある考察をしてみた。

おそらく違っているだろう(笑)

きっと仲村さんは本当に死にたかったのだろうし、春日とは見えているものが違った&死なせたくないという気持ちが同時にあって突き飛ばしたのだろう。


ただ仲村さんも言うように、正直そんな過去のことはどうでも良い。

そんなことよりこれからどうするのかだ。


仲村さんは春日をどう思っているのか?

もしも仲村さんが春日に特別な感情を抱いていたとして、春日はどうするのか?

仲村さんを選ぶのか?

やはり常盤さんと生きて行くのか?

じゃあ、仲村さんはここで穏やかに孤独のまま生き続けるのか……

今回の話ではあまり見えてこなかったその辺りが、次回(もう2日後!)はきっと語られるのだろう。

読むのが怖い…















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あなたのほうがキレイです……


























やや忙しかったり焼野原塵にハマってしまったりで遅くなってしまったが、ようやく昨日惡の華53話を読んだ。



そっけなく去ろうとする仲村さんを呼び止めたのは意外にも常盤さんであった。

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ちょっと怖い…。



彼女は明確な決着を望んでいた。

自分を選ぼうと仲村さんを選ぼうと、春日が何処かに心を残したままの状態が耐えられなかったのだ。

その意を受け、春日も完全決着を誓うのだが…。

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この3年半に何があったのか、仲村さんは語ろうとはしなかった。


その代わり






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海の上に浮かぶ夕日を指差した仲村さんは、ただそれを「キレイ」と…。


群馬にいた頃、太陽は山から昇り山へと沈んで行った。

ここの夕日は海の中に沈み、そしてまた海から昇ってくるのだ。

「ずーっと、ずーーっと、ぐるぐるぐるぐる…」

そんな繰り返しの情景が、仲村さんの心をゆっくりと穏やかに抑えていてくれたのだろうか。

この穏やかさは、母親の「あの子、今とても穏やかなの」「だからそっとしておいてあげてほしい」との言葉から、なんとなく上辺だけで与えられた穏やかさであることが暗示されている。

またいつ爆発してもおかしくないような…。


だが、この海を巡る太陽をキレイと感じていることだけは確かだ。

そしてこの「キレイ」は、クソムシの海に沈む夕日に対するものではない。

本当に、普通に「キレイ」と言っているのだ。

あの仲村さんが。


だが、春日にはそれが理解できない。

春日はまだクソムシの海を見ている。

夏祭りに向かう途中で見たクソムシの夕焼けが春日の「キレイ」だ。



そして


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ついに春日はあのことを問う……





すぐ続きます!

















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